3Dプリンター製スパナをアルミテープで“金属風”に仕上げる

PLAで出力したスパナにアルミテープを貼って、工具らしい金属質感に。下処理〜仕上げまでのコツを写真付きでまとめました。アルミ製のスパナなんでないでしょうけど、今回は金属製に見えたら良し、ということで。

※スパナの3Dデータはネット上のフリーデータを使用しました。配布元のライセンス表記・利用規約に従ってご利用ください。

コンビネーションレンチv1 3Dモデル

3Dプリンターで出力直後のPLAスパナ
出力直後のPLAスパナ。層痕が見えています。サポートも僅かに見えます。

用意したもの

  • 3Dプリントしたスパナ(PLA)
  • アルミテープ(ダイソーで購入したもの)
  • やすり各種
  • カッターナイフ、カッターマット

3Dプリント設定(参考)

項目 設定 メモ
素材 PLA 後加工しやすい
レイヤー高 0.16〜0.20 mm 薄めだと研磨が楽
壁厚 1.2 mm 以上 テープ圧着時の変形防止
充填率 25〜40% 握ってもたわみにくい
サポート 必要に応じて 外観面は極力避ける

磨済みのスパナとアルミテープ、道具一式
研磨後のスパナと、アルミテープなどの道具。

作業手順

1)下処理(サポート除去・研磨・脱脂)

  1. サポートを丁寧に外します。残ったバリはカッターで軽く面取り。
  2. 紙やすりなどで研磨し、表面を滑らかにします。角は軽く面取りするとテープが捲れにくくなります。

2)(任意)下地の整え

積層段差が大きい部分は、瞬間接着剤やプライマーで薄く埋めてから再研磨すると、金属感が一段と高まります。今回は行いませんでした。

3)アルミテープのカットと仮合わせ

  1. 側面から攻めます。スパナの片面形状に合わせて、少し大きめにテープをカット。
  2. 曲線・R部分は細めのストリップに分割して、重ね貼りで追従させるとシワが出にくいです。

4)貼り付け(圧着)

  1. 中心から外側に空気を逃がす要領で、スキージーや綿棒で圧着します。今回はデザインナイフの蓋で行いました。PP製のものが良いように思いました。
  2. 余分なテープはカッターで慎重にトリミング。
  3. 底面は3Dプリント製であることを見せるため、あえてテープを貼りませんでした。

    アルミテープを貼り込んでいる作業中の様子
    細いストリップでR形状に追従させ、シワを逃がします。

    仕上げのコツ

    • 分割して貼る:曲面は無理をせず、細い帯で重ね貼り。重なりは裏面側に逃がすと目立ちません。
    • 角の処理:角はわずかに面取りしておくと、テープが破れにくく、金属の面取りらしい表情に。
    • 押し道具を使い分け:広い面はスキージー、細部は綿棒や爪楊枝の背で。
    • 実使用は不可:見た目重視のディスプレイモデルです。実際の締め付け工具としての使用は避けてください。

    コストと所要時間の目安

    • 材料費:PLA少量+アルミテープ(百円未満)
    • 作業時間:プリント1時間/下処理20分/貼り込み20分(目安)

    今回は研磨もかなり大雑把、テープ貼りもあまりこだわらずに貼ったので、かなり短時間でできました。

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