無料ソフトでレーザー・UVプリント用データ作成ガイド|Illustrator不要 テンプレートの使い方


Affinity がついに 完全無料化しました。これにより、Illustrator を持っていなくても、レーザーカッターや UV プリンター用データを作成できる環境が誰でも無料で手に入るようになりました。イラストレーターは高いから・・・と迷っていたあなたに朗報です!

このページでは、以下の内容をまとめています。

  • 専用テンプレートのダウンロード
  • Affinity でレーザー&UV用データを作成する手順
  • 各レイヤーへのデザイン配置ルール
  • 使わないレイヤーの削除
  • PDF(書き出し用)での安全な書き出し方法
  • PCやAffinityファイルがあれば安心

対象は PC版(Windows / Mac)の Affinity3.0です。
※Affinityの使い方といった公式マニュアルではなく、コーボックスでの「レーザー&UV加工」に特化した手順書です。


1. Affinity をダウンロードする

公式サイトからダウンロードできます。

公式サイト

Windows / Mac 両対応です。CANVAのアカウントをつくって、ダウンロード、インストールが終わったら、次に進みます。


2. テンプレートをダウンロードして開く

加工専用に設計した Affinity テンプレートを用意しています。
以下からダウンロードしてください。

テンプレートダウンロード:

template.aftemplate.zip

テンプレートの書類サイズはレーザーカッターの最大サイズ、810mm × 450mm(VLS6.60 対応) に設定されています。そのまま加工サイズとして使えます。

Affinity Designer を起動し、[ファイル]→[開く] からダウンロードしたテンプレートを開きます。


3. テンプレートのレイヤー構造

テンプレートには、あらかじめ以下の5つのレイヤーが用意されています。
各レイヤーの中に、このレイヤーの役割を説明するオブジェクトが入っています。

  • UVカラー
  • UV透明
  • UV ホワイト
  • レーザー彫刻
  • レーザーカット

用途に応じて、使わないレイヤーは削除して構いません
レーザーだけ使うなら「UV カラー / UV ホワイト / UV 透明」を削除、
UV だけなら「レーザーカット / レーザー彫刻」を削除しておくと安全です。


4. 各レイヤーにデータを作成する

ここから、実際にデータを描いていきます。

データのサイズは、素材のサイズやUVプリンターの印刷可能サイズ(473mm×584mm)なども考慮して作成してください。
必ず「どのレイヤーに何を置くか」を守ることで、レーザーとUVの誤動作を防げます。

以下は各レイヤーの説明となります。

4-1. レーザーカット

  • カットしたい線や輪郭を配置します。
  • 線色:赤(R255 / G0 / B0)
  • 塗り:なし(線のみ)
  • 線幅:0.07 pt 以下
  • オブジェクト:必ずベクター(画像は不可)

4-2. レーザー彫刻

  • 彫刻したい部分(ロゴ、文字、イラストなど)を配置します。
  • 色:黒(R0 / G0 / B0)
  • 画像やグラデーションもOKです。
  • テキストは、最終的に [レイヤー]→[カーブに変換] でアウトライン化すると安全です。

4-3. UV カラー

  • フルカラーで印刷したい部分を配置します。
  • RGB カラーのままでOKです。
  • 写真、グラデーション、透明度なども使用できます。

4-4. UV ホワイト

  • 白インク(白版)として印刷したい部分を配置します。
  • 色:黒(R0 / G0 / B0)
  • 塗りまたは線 100%。黒で表示されている形状で白を印刷できます。
  • 通常、UV カラーの下地として使います。

4-5. UV 透明(UV 透明 レイヤー)

  • ニスや光沢をかけたい部分を配置します。
  • データの作り方は「UVホワイト」と同じです。
  • 色:黒(R0 / G0 / B0)
  • 塗りまたは線 100%。黒で表示されている形状で白を印刷できます。

    5. 完成前に必ず行うこと(説明オブジェクトの削除)

    テンプレートの各レイヤーには、使い方を説明するオブジェクトが入っています。
    実際のデータが完成したら、これらの説明オブジェクトは必ず削除してください。

    1. 各レイヤーを表示にし、ロックがかかっていれば解除する
    2. 説明が書かれているテキストやサンプル図形を選択
    3. Delete キーで削除

    説明が残ったまま PDF 化すると、そのまま印刷や彫刻の対象になってしまいます。


    6. PDF として書き出す(PDF[書き出し用])

    加工用に保存する最終データは PDF で書き出します。

    Affinityのメニューから:

    1. [ファイル]→[エクスポート] → [書き出し] をクリック
    2. 左側で 「PDF」→「PDF(書き出し用)」 を選択

    PDFの種類によっては加工用データとして使用できない場合があるので、必ず上記形式を選んでください。

    6-1. PDF 書き出し設定(必須項目)

    • ラスタライズ:「なし」
    • 互換性:PDF1.7(Acrobat 8)
    • 色空間:「ドキュメントとして」
    • ICC プロファイル:「ドキュメントプロファイルを使用」
    • レイヤーを含める:ON

    6-2. OFF にしておくべきもの

    • 画像の色空間を変換
    • スポットカラーを有効化
    • プリンターマークを含める

    これらを ON にすると、不要な枠やマークがオブジェクトとして読み込まれる原因になる場合があります。

    「書き出し…」でレーザー&UVプリンター用のPDFデータを保存できます。


    まとめ:Affinity 無料化で、誰でも加工データが作れる!

    • Affinity Designer が無料になり、Illustrator がなくても OKになった
    • テンプレートを使えば、レーザー&UV 両対応のデータが作成可能
    • 各レイヤーの役割に沿って配置するだけで、安全な加工データになる
    • 最後に「説明オブジェクト削除」と「PDF(書き出し用)設定」を忘れなければ安心
    • 作成に使用したノートPCやaffinityのファイルを持ってきていただければ、トラブル時の修正にも安心です

    ぜひテンプレートと Affinity を活用して、レーザー加工や UV プリントをもっと身近に楽しんでみてください。