【検証】NotebookLMは実用的なチャットボットになり得るか?Difyとの比較と導入の決め手

デジタル工作機器(FAB)やコワーキングスペースを運営していると、日々多くの方にご利用いただきます。そんな中で私たちが常々感じていた「ある課題」を解決すべく、最新のAIを使って「専用チャットボット」を作ってみた舞台裏をお届けします。


1. はじめに:なぜ今、コーボックス専用AIが必要だったのか

co-boxのようなFAB&コワーキングスペースには、特有の「よくある質問」がたくさんあります。

  • 「3Dプリンターの予約はどうすればいい?」
  • 「初めてレーザーカッターを使う時の講習時間は?」
  • 「ドロップインの支払い方法は?」

これらはウェブサイトにも記載していますが、利用者の方にとっては「わざわざ探す」のも「スタッフに電話やメールで聞く」のも、意外と心理的なハードルが高いものです。

「もっと気軽に、24時間いつでもクイックに回答できる仕組みを作りたい」。そんな思いから、自社専用AIチャットボットの開発に乗り出しました。

2. 選定の舞台裏:Dify vs NotebookLM

今回、比較検討したのは、今話題のAI開発プラットフォーム「Dify」と、Googleの提供するAIノートブック「NotebookLM」です。

当初本命だった「Dify」での苦戦

最初は、自由度の高い「Dify」で構築しようとしました。しかし、実際に手をつけてみると予想以上の手間がかかることが判明しました。

  • ウェブサイトのURLをそのまま読み込ませるのではなく、テキスト化して修正し、重複を削り、AIが理解しやすい「MD(マークダウン)記法」に書き換える作業……。ソースの準備に手間がかかりました。
  • Gemini APIを連携し、最新flashモデルを選んで試してみましたが、デフォルト設定ではNotebookLMほどの「賢さ」に届きませんでした。
  • 本格的に運用するには「RAG(検索拡張生成)」の細かい調整(チャンク長さの調整やRerank APIの設置やテストなど)を繰り返す必要があり、「これは時間がかかりすぎる」と断念したのです。

「NotebookLM」の圧倒的な手軽さと精度

一方で、試しに触ってみた「NotebookLM」は衝撃的でした。
最大の特徴は、GoogleドキュメントやPDF、ウェブサイトのURLを「ソース」として放り込むだけで、ハルシネーション(嘘の回答)が極めて少ないチャットボットができる点です。

実際にco-boxの公式サイトURLや講習資料など、40個ほどのソースを登録してみたところ、驚くほど的確な回答が返ってきました。
上手く答えられない場合も、理由は単純。「1.ソースが足りない」か「2.ソースの書き方が分かりにくい」かのどちらかです。そこを補強するだけで、あっという間に「完成」と言えるレベルに達しました。やったことはソースの登録だけなので実に簡単です。

妥協点と「導入の決め手」

もちろん、NotebookLMは本来「個人向け」ツールであり、一般公開用ではないため以下の制限があります。

  1. Webサイトへの埋め込みができない
  2. 外部ツールとの連携ができない
  3. UIのデザインカスタマイズができない
  4. RAG(検索精度)の細かい調整ができない
  5. ユーザーの質問ログを確認できない
  6. 利用者にGoogleアカウントでのログインが必要

しかし、「チャットのみ共有」機能を使えば、安全に外部公開が可能です(ソースの書き換えも防げます)。アクセス数制限もなく、何より「現状の回答精度が十分すぎる」というメリットが勝り、今回はNotebookLMでの運用を決めました!

3. 「NotebookLM」における実装プロセス:わずか3ステップ

Difyでの試行錯誤を除けば、実質1時間でおおよ上の形になり、プラス1時間で完成してしまいました。

Step1:ソースの登録
施設利用規約や機材マニュアルを登録。ウェブ上の情報はURL、ローカルデータはGoogleドキュメントに変換して読み込ませるだけです。

Step2:精度の検証
Geminiに「利用者が聞きそうな質問」を数十個考えてもらいテスト。回答がズレていたらソースを追加などの微調整をします。

Step3:URLの発行
「チャットのみ」共有設定でリンクを発行。別アカウントで動作確認して完了です!

4. 実際に使ってみて分かったメリット・デメリット

メリット デメリット
・セットアップが圧倒的に速い
・専門知識なしで高い精度が出る
・無料で運用可能(API費用不要)
・サイトへの直接埋め込み不可
・デザイン変更ができない
・利用者にGoogleログインが必要
・共有設定に注意(チャットのみにする)

5. まとめ:co-boxが目指す「テクノロジーとの共生」

今回、あえて「作り込むDify」ではなく「手軽なNotebookLM」を選んだのは、最新ツールをいち早く現場に投入し、その利便性を利用者の方に還元したいと考えたからです。

完成したチャットボットは、co-boxのサポート役として公開中です。
「このAI、どうやって作ったの?」「自分のビジネスでも使ってみたい」という方がいれば、ぜひコーボックスでスタッフに声をかけてください。私たちの試行錯誤のノウハウを、どんどん共有させていただきます!

下のボタンから、是非チャットボットを試してみてください!